ホウレンソウの秘密

しあわせ野菜ガルテン

2011年05月17日 02:27

今週のほうれん草は「訳あり」で特売しています。

今週のほうれん草は中心部分に茎が伸びて花の蕾が見えます。
この状態を「トウが立つ」と言います。大根、ニンジン、白菜、キャベツ、小松菜、ホウレンソウなどの野菜は春になると葉の中から茎(とう)が伸びて花を咲かせてしまうのです。

そして、とう立ちすると、野菜は旬の時期を過ぎてしまい、繊維質ばかりで堅くて食べてもおいしくありません。ダイコンやニンジンはスカスカになってきます。
そんなことから、女性がお年頃を過ぎると「そろそろ、とうが立ち始めちゃったね」って言われてしまいます。

しかし、白菜やホウレンソウはトウ立ちした茎や蕾の部分がやわらかくクセもなく、とってもおいしいのです。
花を咲かせるために貯蔵澱粉が糖化し始めているので栄養学的にもいいと思われます。

トウ立ちし始めたばかりのお野菜は実は一番の円熟期なのです。
その円熟期のほうれん草を特別価格にてお届けします。
人間だったら、そういう訳にはいきません。

届いたホウレンソウは男の子かな、女の子かな。

ほうれん草には男の子と女の子があります。
動物は雄と雌が別々ですが、植物の場合はおしべとめしべがひとつの花の中にある雌雄同花が多いです。しかし、キュウリやズッキーニやカボチャなどは、ひとつの株の中に雄花と雌花があり、雌雄異花といいます。
珍しいのは動物と同じようにオスとメスに分かれているもので、これを雌雄異株(しゆういしゅ)と言います。雌雄異株の代表はイチョウです。ギンナンができるのがメス、できないのはオスです。
他にはソテツ、キンモクセイ、ヤマモモなどの樹木が多いのですが、野菜ではホウレンソウが雌雄異株です。ひと束いくらで売られているホウレンソウは全部同じように見えますが、本当は雄と雌があるのです。
でも、葉だけの状態ではわかりません。わかるのはトウが立ってからです。
ほうれん草は花粉が風で運ばれる風媒花でので、男の子のほうれん草は花粉をたくさん出すために小さな蕾がたくさんあります。女の子のホウレンソウは風に舞う花粉を捕まえるために、めしべがニョキニョキ出ています。届いたホウレンソウを見てくださいね。
いずれにしろおいしくいただけます。ホウレンソウに関しては「トウ立ちしているよ。」というのは褒め言葉ですから・・・・。



上の写真が女の子。
ほうれん草は花粉が風で運ばれる風媒花です。風に舞う花粉を捕まえるために、めしべがニョキニョキ出ています。



上の写真が男の子。
花粉を大量に出すために小さな花がたくさんあります。


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