2008年08月07日
七夕様があぜ道を通るから、今日は農休みです。

小学校の頃、この日はとてもうれしく感じた日でした。
この日は専業農家で毎日忙しい我が家も、おじいちゃんも、おばあちゃんも、両親もみんな家にいてゆったりとした時間が流れていたからです。
この時期の農家の仕事と言えばもっぱら田の草取りです。私の母親が嫁いできたその年の8月7日にいつもどおりに田の草を取っていると、亡くなったひいじいちゃんがやってきて、「富子さん、今日は8月7日で、夜に七夕様が田んぼのあぜ道をお通りなさる日だよ。その時に刈り取ったあぜ草で足を切るといけないから、今日はあぜ草取りをしないで家でゆっくりしなさい。」と言ったそうです。
母親の実家である菊川は七夕は7月7日です。この時期にはあぜ草はまだあまり生えていませんのでこのような言い伝えはありません。
昔の人は「今日は休みだ。」などと言わないで、こんなふうにして自然と一体になって体を休ませていたのでしょうね。
この言い伝えは我が家だけではなく、ごく普通に私たちの地域では言われているもので、小さなころにはよく聞きました。水を張った田んぼと天の川が重なって、単純に七夕様もこんなに狭いところを通って行くなんて大変だなあと思ったものでした。 (そのころは平家ボタルが田の水面に星のように舞っていました。夜の真っ暗な田んぼと夜空は子供としては同じような異次元空間でした。)
今年農業を始めたために、たまたま思い出しましたが、長い間忘れていました。
きっと、次の世代には伝わっていかないでしょうね。
Posted by しあわせ野菜ガルテン at 08:07│Comments(0)
│8、”農”への思い