山にハックリバアサがあった。
シリーズ 「掛川の西郷と倉真地区の言葉」 (その2)
現在働いている農場にはいろいろなパートさんがいますが、その中にとても慕われているパートさんがいます。彼女の人気の秘密は人柄の良さと、その独特の掛川方言。でもこの方言、自分には理解できるのですが、同じ掛川の人でもわからない言葉が多いようです。
彼女の言葉は自分の亡くなったおばあちゃんが話していた言葉そのものです。彼女の家は倉真、自分は西郷です。どうやら、掛川の北部だけに通じる方言もあるようです。
そこで、遠州弁、掛川弁も含めて、彼女の話す言葉を「掛川の西郷と倉真地区の言葉」と題して報告します。
1、そっちで、
ゆさくって。
2、町まで
ジッテェで行くか!
3、今日の魚は
ションバイ。
4、服が
はげちょろになっちゃた。
5、味が少し
そっぽだねえ。
6、山に
ハックリバアサが生えていただに。
7、終わってしまっただけえが、どうしたらいいだ。
8、
てんこちょを抑えてて。
9、この花は
フッセで増えた。
※6 山野草で人気の
シュンランのことを遠州地方と三河地方ではハックリバアサと言います。
お婆さんが手拭いを頭に巻いている様子に似ているそうです。ハックリとは「はっとした」という意味で、ハックリバアサとは「驚いてことらを見ているお婆さん」ということです。
そう言われてみると、
おとなしそうなおばあさんが、頭に手拭いをかぶってこちらをのぞき見しながら、そっと立っているように見えてきませんか?
※9、こぼれ種から大きくなった植物をフッセと言います。遠州地方全般で使われています。
ただ、なぜその様に言うのか誰に聞いてもよく知りません。
自分は
果実が地面に落ちて、そこから生えるので「仏生」でフッセだと思うのですが、いかがでしょうか?
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