今日は七夕様だからお休みです。
私の地域は今日が七夕です。
七夕の日は農休みの日です。
この時期の農家の仕事と言えばもっぱら田んぼのあぜ道の草取りです。
でも、今日はあぜ草取りをしてはいけません。
私の母親が嫁いできたその年の8月7日にいつもどおりに田の草を取っていると、亡くなったひいじいちゃんがやってきて、「富子さん、今日は8月7日で、夜に七夕様が田んぼのあぜ道をお通りなさる日だよ。その時に刈り取ったあぜ草で足を切るといけないから、今日はあぜ草取りをしないで家でゆっくりしなさい。」と言ったそうです。
昔の人は「今日は休みだ。」などと言わないで、こんなふうにして自然と一体になって体を休ませていたのでしょうね。
専業農家で毎日忙しい我が家も、おじいちゃんも、おばあちゃんも、両親もみんな家にいて、ゆったりとした時間が流れていて、小学校の頃、とてもうれしく感じた日でした。
この言い伝えは我が家だけではなく、ごく普通に私たちの地域では言われており、子供達はみんな信じていたような気がします。
そのころは平家ボタルが田の水面に星のように舞っていました。夜の田んぼも星空も子供としては同じような異次元空間でした。
純粋に「七夕様もこんなに狭いあぜ道を通って行くなんて大変だなあ。」と思っていました。
農業を始めたために思い出しましたが、長い間忘れていた遠い遠い昔の話です。
きっと、次の世代には伝わっていかないでしょうね。
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